くりや

和漢膳を中心に、人それぞれの体質におすすめのレシピを紹介します。

緑茶、ウーロン茶、紅茶は同じ「チャ」。ではその性質はどう違う?

今回はお茶の持つ性質の違いについてのお話です。

 

これらは元は同じ植物ですよ、というのはご存じの方も多いかと思いますが、ざっくり説明します。

「チャノキ」と呼ばれる椿科の常緑樹の葉が茶葉となります。

椿の仲間なので、やはり花や実は椿に似ています。

 

こちらはチャノキの花・実・葉の絵。

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こちらは椿の花・葉の写真。

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比べてみるとチャノキは雄蕊の量が多いですね。真ん中の黄色い花粉が特徴的です。

実は椿のものとほぼ同じ見た目ですね。

 

このチャノキですが、大きく分けると2種類あります。

一つは低木で葉も3~5cmと小さ目の中国種。

もう一つは高木で葉は10~18cmと大き目のアッサム種。

中国種は緑茶やウーロン茶として使われることが多く、アッサム種は紅茶として使われることが多くなります。

中国種はうま味成分が多く、アッサム種は苦渋成分が多いのが特徴。

 

これらは栄養も違ってきます。

たとえばお茶といえばカテキンアミノ酸

アッサム種の方がカテキンは多く、アミノ酸は少ない。

中国種の方がアミノ酸は多く、カテキンは少ない。

あくまでも比較した時の多い・少ないになり、含んでいることに違いはありません。

ビタミンはどうでしょう。

これは淹れる温度にもよるのですが、中国種の方が多く、緑茶であれば尚多くなります。

アッサム種は少なくなります。

 

淹れる温度によってビタミンが破壊されることがあるため、中国種の緑茶なら多い、とも言いきれません。

温度を低めるとビタミンやカテキンの中でもエピガロカテキンが増える。

温度を高めるとカフェインやカテキンが増え、ビタミンは消える、という非常にややこしい事が起きます。

この点、紅茶は特に温度を気にしなくて良い、と考えられているので気軽に楽しめます。

 

今回は「性質の違い」に注目したいので、2種の栄養の違いはこのくらいにします。

 

では「性質」とは、を簡単に説明しましょう。

「寒」「涼」「平」「温」「熱」と食材や飲料にはそれぞれ体を温めたり冷やしたりする力があります。

これは調理過程で熱したり冷やしたりしても失くなるものではありません。

柿は体を冷やす、で有名ですが、これも調理で加熱しても体の中に入れば徐々に体の熱を取ります。

キムチなどは基本冷たいですが、人によっては汗が出るほど体を強く温めます。

また体を冷やすスイカなどは、冷蔵庫で冷やして出す、というのがあるかと思いますが、体を冷やすものを更に冷やすと体に負担となることがあります。

イカなどの寒性食材を口にする際は常温にし、体の中でゆっくり熱を取る方が負担・違和感がない、と薬膳では考えています。

「平」はどちらにも傾かないため、体質や季節を選ばず、他の食材とも合わせやすいものと考えられています。

 

ではお茶はどうなるのか。

・緑茶

緑茶は「冷やす」で有名です。

「涼」に入るため、冷やすというよりは体の余計な熱をとってくれるもの。

季節でいえば春・梅雨・夏に向いたお茶で、熱っぽくなりやすい、暑がりな方にぴったりなお茶になります。

ビタミンやカテキンがあるので、菌対策と免疫をケアしたい時にも◎

その他「熱」である唐辛子などの辛い料理を食べる時、汗が出すぎてかえって体を冷やしたり、内臓を熱くしすぎたり、という時にも、緑茶の持つ「涼」が「熱」を抑えてくれるので汗が出すぎず、内臓も熱くなりすぎず、とバランスを取ることもできます。

日本ではやはり最も好まれるお茶。

ソウルドリンクなのか、ほっこりしますよね。

 

・紅茶

これは「温」になります。

体を適度に温め、香りも良いのでカフェインを含んでいますがリラックスタイムに良いでしょう。

甘味料やおやつ、花やフルーツとの味の相性も良いので、楽しみ方は1番多いのではないでしょうか。

夏場でも今はクーラー・扇風機・長雨などで体温が奪われますので、季節問わず寒いな、という時、冷えやすい方におすすめ。

カテキンの量が多いので菌対策としてはトップクラスでおすすめ。

ビタミンも摂りたい場合はレモンティーなど。乾燥対策ならミルク類と合わせるなど。

牛乳や豆乳との相性も良いので、胃が痛い方でも飲みやすくなります。

(ただし、かなり胃が荒れている時はお茶類は勧められません)

 

・ウーロン茶

これは「平」になります。

台湾などでは広く親しまれ、色も味も様々ありますが、日本では大体色が濃く、味も酸味があるようなものが多いです。

「平」なので食事シーンにもおやつタイムにも合います。

さっぱりした飲み口は濃い味の料理を食べやすくしてくれます。

体質を選ばないため比較的安心して、季節も問わずに楽しめます。

 

・最近流行のジャスミン

これはどうでしょうか。

このジャスミンティー、ジャスミンの花や葉から作られているのではありません。そのためベースとなる茶葉により性質は変化します。

一つは緑茶ベース。もう一つはウーロン茶ベース。

この2タイプに大きく分けられます。

茶葉は香りを吸い込むというのを利用し、ジャスミンの花を茶葉に重ねてその香りを移したものがジャスミンティー。

最後に花弁を加えるものもあります。茶葉の中に白いものがあったらそれはジャスミンの花弁でしょう。

ジャスミン自体は「温」、緑茶は「涼」なので、この組み合わせだと「平」に近いと考えられます。

ウーロン茶だとウーロン茶の「平」に「温」が加わるので、「温」に近いと考えられます。

とはいえウーロン茶でも紅茶に近いものがあるので、「熱」に近い「温」タイプになったものもあるかもしれません。

 

プーアル茶

他に有名なお茶といえばプーアル茶

こちらは茶色の濃い、紅茶とは違った渋い色合いのお茶。

飲んだことがないので味は書けませんが、こちらは紅茶とともに「温」の最強格。

冬の季節にぴったりで、冷えやすい、寒がりという方におすすめ。

脂肪分解の作用が強いとされており、ダイエット中にも◎!

紅茶やプーアル茶を飲んだ後に軽い運動をすると、脂肪分解の働きが強まると考えられています。

 

それぞれ性質は異なりますね。

まとめてみましょう。

・緑茶「涼」

・紅茶「温」

・ウーロン茶「平」

ジャスミン「平」もしくは「温」

プーアル茶「温」

 

・同じ植物なら、なぜこのような違いが出るのか?

摘み取られた葉から茶葉になる過程にその答えはあります。

ウーロン茶や紅茶などは、太陽光に当てたり、室内に置いて揺らしたりして酸化させるのです。

微生物を用いた発酵ではありませんが、この酸化させる工程を「発酵」と呼び、その発酵の期間が長くなるほど「涼」から「温」へ、と性質が変化してゆくということです。

ウーロン茶は茶摘みの後、斜面を下りる際に茶葉が揺れ、それで発酵が進んだとか。

プーアル茶は茶葉を馬に載せ、何日も悪路を進んだために茶葉は揺れ、酸化し、発酵したと考えられています。

プーアル茶に関しては微生物を用いて、の製法もあり、これは「後発酵茶」と呼ばれることもあるそうです。

紅茶もそうですね。

これは元は中国のウーロン茶だったそうですが、更に発酵させたお茶に改良され、緑茶とともにヨーロッパへ運ばれていたとか。

これは「ブラック・ティー」と呼ばれ、インドのアッサムでイギリスの嗜好に合うよう更に改良され、完全発酵の紅茶となったということです。

ただし中国は易姓革命で色々あるので、現地の調査・研究でも細かい部分が分かっていないものが多いので、今のところ解明はされていません。

なんで解明しないのかね。

「そういう説もあるらしい」ということで。

 

まあ発酵の度合いによって性質が変わる、とざっくり考えましょう。

 

・まとめ

味わい、色、香り、合わせる食べ物によって無限に楽しめるお茶の世界。

もちろん好みに合わせ、美味しく楽しむのが一番です。

しかし季節や体調、体質によって美味しいはずのものが障りになったらもったいない!

お茶の性質を知っておけば、体質によらず食べ物で体を整えれば美味しく飲むことも出来ます。

 

含んでいる栄養素はたんぱく質にビタミンAからP、ポリフェノール、カフェイン、食物繊維など、豊富も豊富。そしてタンニンといえばカテキンの総称です。

ビタミンの種類はもう、すごいですね。Pって初めて聞いた。

 

カフェインは人によって体に良くも悪くもありますが、基本的には悪いものではありません。しかし妊婦さんや幼いお子さんは注意しましょう。

 

鉄剤、シメチジン入りの胃腸薬を飲んでいる方も注意しましょう。

 

アルコールと一緒に摂ると心臓に負担がかかる恐れがあるため、アルコールに弱い方やお風呂上り、スポーツの後などは一緒に飲まないようにしましょう。

 

砂糖と一緒に摂ると効果が落ちると考えられていますが、これはまだはっきりしていません。気になる方は控えましょう。はちみつなどで甘味は得られます。

 

一気にがぶがぶ飲んだり、胃が荒れている時に飲むと、胃に負担がかかるかもしれませんので控えましょう。

 

タンニンはカテキンの総称なので菌対策には良いのですが、鉄分の吸収を悪くしてしまいます。血虚状態の方や生理前、生理中の方は控えましょう。

食事でしっかり血になるものを食べれば、ティータイムで飲む分には大丈夫かと思います。

また生理前、生理中は体の芯が冷えている場合もあります。緑茶は控えましょう。

 

 栄養が多いと注意点も増えますが、それでも生活に取り入れやすいのがお茶。

何よりも美味しく頂ける、おやつと合わせて楽しめる!

あるお茶を飲んだら体調が崩れた方も、お茶それぞれの性質から理解すれば選んで楽しめるようになるかもしれません。

良ければ以上を参考にし、美味しいお茶ライフをお過ごしください。

 

 

 

台湾茶はウーロン茶が多く、そのウーロン茶も風味が様々。色々試してみたい方向きのセットです。アマゾンさんにて購入可能。

 

紅茶に関しては私はど素人。基本のセットから試しています。

その他ケニアの紅茶などもあったなぁ。あ、ちなみにケニアの緑茶もあるそうです。

同じ植物なので納得ですね。 ディルマ……飲んでみたいけど今飲んでも違いが分からんかも……レベルあがったらにしよう。kuriya-kitahaku.hatenablog.com

 

今回では「チャノキ」系のお茶を書いております。

お茶というとハト麦や黒豆など色々あり、「茶」とつきますがもちろん「チャノキ」ではありません。

そのため栄養や性質は違い、それぞれにそれぞれの良さがあります。

ココアやコーヒーなどの嗜好品も、やはりそれぞれ個性があります。

それらもまた改めて次の機会に。

 

ではでは~!